公正証書遺言について
遺言書は公正証書で作成しましょう
遺言書には公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3つの様式があります。
以下がそれぞれの特徴を比較した表になります。
遺言方式 | 公正証書遺言 | 自筆証書遺言 | 秘密証書遺言 |
作成者 | 公証人 | 本人(自筆) | 本人(代筆可) |
証人 | 2人以上 | 不要 | 2人以上 |
署名捺印 | 遺言者、証人、公証人 | 本人のみ | 本人のみ |
遺言が無効となる可能性 | なし | あり | あり |
封入 | 不要 | 不要 | 必要 |
検認手続き | 不要 | 必要 | 必要 |
公証人手数料 | 数万円~ | かからない | 11,000円 |
公正証書遺言の特徴
●公正証書は公的な書面として効力を有します。そして公証人によって遺言の内容が筆記されるため、法的・文法的に無効な遺言となるおそれがありません。
●裁判所が行う検認※の手続きを省くことができます。
(※検認とは、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など遺言書の内容を確認し、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。尚、遺言が遺言者の真意に基づいて作成されたものであるか、や遺言が有効であるかどうかを審査する手続きではありません。)
●費用は他の様式で作成する場合よりも高くなりますが、無用なトラブルを防ぎ、遺言者様の御遺志を確実に実現させられるという「安心感」があります。
●遺言者ご本人様の御実印及び、印鑑証明書
●遺言者ご本人様の戸籍謄本
●遺言者様と相続人の方の続柄が分かる戸籍謄本
●財産を相続人以外の方に遺贈される場合は、その方の住民票
●財産の中に不動産がある場合は、その不動産の登記事項証明書及び固定資産税評価証明書
●通帳、保険証券のコピー
●法人に対して寄付を行う場合はその法人の登記事項証明書
●証人となる方の氏名、住所、生年月日、職業などの情報
公正証書遺言の作成時には公証人に対して手数料を支払わなければならず、費用は「公証人手数料令」という政令で法律行為の目的価格(遺産の評価額)に従って、以下のように定められています。
目的の価格(遺産の評価額) | 手数料 |
100万円まで | 5,000円 |
200万円まで | 7,000円 |
500万円まで | 11,000円 |
1,000万円まで | 17,000円 |
3,000万円まで | 23,000円 |
5,000万円まで | 29,000円 |
1億円まで | 43,000円 |
3億円まで、5,000万円ごとに13,000円加算 | |
10億円まで、5,000万円ごとに11,000円加算 | |
10億円超は、5,000万円ごとに8,000円加算 |
さらに、公正証書遺言作成には、目的物の価格以外に次のような費用がかかります。
・相続、遺贈の合計額が1億円に満たない時は、11,000円を加算。
・公証人が遺言者の元へ出張する場合して公正証書を作成する時は、目的価格の手数料が1.5倍(5割増し)になり、規定の日当(20,000円、4時間以内10,000円)、旅費(タクシー代等実費額)を負担。
・遺言の取消は11,000円
・正本又は謄本の用紙代、1枚250円。
・公正証書遺言では、原本、正本、謄本を作成するので、それぞれに用紙代がかかります。
・価格を算定することができないときは、500万円とみなして算定。
・遺言の場合は、相続人、受遺者毎に価格を算定して合算。不動産は、固定資産税評価額を基準に評価。
具体例
相続人がABC3名で6,000万円の財産をAに1,000万、Bに2,000万、Cに3,000万相続させるという内容の遺言書を作成した場合。
公証人手数料 17,000円+23,000円+23,000円=63,000円
遺言手数料 11,000円
用紙代 5ページ×3=3,750円
合計 77,750円